2025年7月7日に東京IMMTHEATERで私の殿堂入り推し様である坂本昌行さん主演ミュージカル『BLACK JACK』を観に行ってきました。
タイトル通り、このミュージカルは名作マンガと知られている手塚治虫先生の『ブラックジャック』をミュージカル化された作品となります。
今回のミュージカルはブラックジャックのアニメOAV作品である『ブラックジャック カルテIV 拒食、ふたりの黒い医者』をもとに日本を舞台にして構築した作品となります。(パンフレットより)
坂本さんを推して10年となる私は、彼が主演となる数多くのミュージカルに観てきたが、とても新鮮だった。
最近の作品だと、『ホリディ・イン』(NEWSの増田さんと共演)、『三銃士』(Aぇ!groupの末澤さんと共演)、『キャメロット』(WEST.の桐山さんと共演)、『ザ・ミュージック・マン』であり、ミュージカル作品もしくはミュージカルにしやすい作品であった。
ところが今回はブラックジャックで、原作が漫画と考えると『2.5次元作品』となる。更にメインが医療と人間の心理を向き合う作品であり、喜怒哀楽を大きく表現する描写がある印象がなかった。
果たしてどのようにミュージカルにしていくのだろうか。
そんな期待を持ちながら、日中はオタ活として推しの運勢を占って*1もらったり、NEWSのライブツアー『変身』の当落を待ったりと過ごしてから、会場に向かった。
会場に入ると、男性客が3割近くいた。
原作がブラックジャックであったこともあり、原作好きだった男性ファンやピノコ役である矢吹奈子さんのファンがいたのもあるが、STARTO事務所のアイドル主演ミュージカルでなかなかない光景で、思わず驚いてしまった。
そしてミュージカルが始まり、観ていくうちに
「これは2.5次元ではなく、『ミュージカル』だ」だと思った。
私が2.5次元舞台としてハイキュー!!や三國無双、戦国無双などを観ていったことがある。
2.5次元舞台と特徴として、「いかに作品の世界観とキャラを魅せる」である。
もともと原作があるものは、その世界やキャラを再現や尊重することが重要である。
だからこそなのか、お話としていかにキャラをよく見せることにスポットライトにあたっていた印象がある。そのためストーリーも舞台用に内容を凝縮したり、本来なら出演しないキャラを際立てる場面*2があった。
だが『BLACK JACK』はストレートの”ミュージカル”だった。
あくまでベースとなるブラックジャックのストーリーに対してキャラが大きく誇張されている印象はなかった。
物語が大きく変動するものではないため、他のミュージカルに比べて感情の起伏が激しく大きく変動するものはなかった。
けど、物語で女優である真理子(大空ゆうひさん)が病気で気持ちが弱々しくなっているときの歌、ピノコが真理子を元気づけようと村の人に相談すると前向きな気持ちの歌、そしてブラックジャックやキリコ(味方良介さん)の互いの信念を語る歌。
まさしくミュージカルだった。
もちろん坂本さんをはじめ、宝塚のトップスターだった大空ゆうひさん、ミュージカル経験が豊富な今川清隆さんが出演していてミュージカルに馴染みある方が惹きつけられる歌もあったが、
ピノコ役である矢吹奈子さんが、ピノコらしい子どもが歌うような歌い方はブラックジャックの世界だと教えてくれた。
また舞台セットは、シンプルであったがプロジェクトなど使って真理子の過去の回想や難しい手術の描写を表現していて世界に惹き込まれた。
なによりも、もとのブラックジャックの世界でも魅せるコミカルな表現を再現しており、特に最後のブラックジャックとキリコ、ピノコとのやり取りにはやられた。まさかあれを再現するとは思わなかった(笑)
そんな世界に没頭してあっという間に約2時間*3のミュージカルを観終えた。
今回の作品は私が観てきたミュージカル作品の中でも、大きな影響を与えた。
ミュージカルに馴染みがない人でも、気軽に入り込めて惹き込まれる、ミュージカルを知っていくのにふさわしい作品だったんじゃないかと感じた。
9月に坂本くんの『MURDER for Two』の再再演*4に行くので今回と違った魅力のミュージカルであるので、楽しみです。